補綴の保険外し  意見に対する意見




日本歯科医学会長の「補綴の保険外し」発言に抗議する。

高齢の患者さんに、「もしも入れ歯が保険からはずされて、自費になったら・」 とお尋ねしたところ、「 わしに、ものを食べるなということか。」と即応された。
一般国民の反応も同じようなものと思われる。

日本歯科医学会江藤洋一会長は「・・補綴を保険給付から除外しない限り、 歯科医療費の総枠を拡大することは難しいのでは・・」との趣旨で、 講演を重ねているというが、地位も権威もある人物の発言に、多くの開業医は困惑している。
江藤会長の趣旨は、・・・歯科医療費のおおよそ半分を占める補綴( 冠や義歯)を保険給付からはずし、その分を他の歯周病や虫歯治療等に充てれば、 補綴以外の診療項目は点数の大幅な増加(2倍?)が期待できる。 同時に、「大幅な増加」 に制限を加えれば、国の負担を削減することもでき、 社会保障費の削減政策に沿ったものと政府・厚生労働省からも歓迎される。 また、補綴部門が自費となれば、その自費分が歯科医療費の総枠増加に結びつき、 歯科界を潤し、困窮を深める歯科医院経営改善につながる。 これが究極の「歯科再生の道」 である・・・と考えたのかもしれない。

しかし、保険給付から外されることにより、 高額な自費負担となる「補綴」を前提として、患者さんと系統的な診療計画を進めることが 本当に可能だろうか。
たとえば、今までは、根の消毒治療を保険で治療し、 その後の奥歯の金属冠を約3000円ほどで入れることができた。 しかし自費扱いとなれば、保険点数を準用したとしても1万円以上( 場合によってはこの数倍の設定もあり得る)の負担となってしまう。
したがって、現実的には、一部の経済力のある患者さんを除き、 治療計画を作成した段階や、治療の途中で断念するケースが多くなるのではないだろうか。
それは、最終的に患者さんの健康を損なうことにならないだろうか。
結末は見るまでもなく、国民にも歯科医にも不幸をもたらすだけといわざるを得ない。

格差社会・貧困・ワーキンブプアなどと叫ばれている日本で、 この料金負担増を多くの国民は容認できるとは思えない。
補綴の保険外しよりも、保険で治療可能な範囲を広げ、 患者の負担を軽減する方策こそが国民の望みであり、 国の責務であると主張するものである。

石川県保険医協会歯科部会は、国民皆保険制度の後退につながるこの江藤氏の発言に断固として 抗議するともに、会長の罷免を求めるものである。










このホームページの著作権は平田歯科医院に帰属します。
Copyright (c) 2002 Dental hospital HIRATA. All rights reserved.