「08年医科診療報酬改定と今後の課題




二日目(午前中)
石川県保険医協会・9月号機関紙原稿・橋爪真奈美・記
講座2「08年医科診療報酬改定と今後の課題(混合診療問題を含む)」
 保団連診療報酬改善対策委員長 武田浩一氏による基調提案のあと、 帝京大学医学部名誉教授 大村昭人氏より 「医療立国:崩壊から再生へ」というテーマで講演いただいた。 大村氏の講演を中心に報告する。
 講演は、「社会保障は国家の重要なインフラ、経済活性化への鍵である」 という主張にはじまった。
重層的なセーフティネットがなければ、生活・経済活動は萎縮し、 労働生産性も落ちてしまう。働く意欲の増進と技術の継承にも影響する。
北欧、EUの国々は、社会保障費を強化することで 世界トップクラスの国際競争力を維持しており、社会保障費抑制の 見直しは当然の話しであると強い口調で発言された。
 また、医師数の不足(欧米の2/3.10万人以上不足) 、医師養成制度が整っていないこと(少なすぎる医学部の教育 スタッフ、厚労省・文科省等複数の省庁の関与で一貫性の欠如と重複の無駄)、 小児・産科医療・救急医療体制が不十分 であること、女性医療従事者の働く環境が整っていないことなど、 多岐にわたる日本の医療制度の問題点を整理していた だいた。
例えば、米アイオワ大学付属病院では、830床で医療スタッフは7,200人、 年間手術件数は約6万件、それに比べ 日本の某国立大学付属病院は、980床・1,200人・手術件数約6千件とお粗末な状況。
日米医療施設のマンパワー比較に より、日本の医療従事者の疲労困憊状況や医療事故増大の問題を大きく指摘した。

 医師法17条と医療行為については、アメリカの呼吸療法士に許されている数々の医行為を紹介。 日本の医師会と厚労省 の解釈は、世界の常識からかけ離れている。
現行の解釈では、医学生にも医行為は教えられない。コメディカル各職種に よる医行為は、医師の指導監督のもとでもっとポジティブに許可されるべきであるとの 見解を示した。

 財源問題については、あまり深く言及されなかったが、 公共事業費の各国比較をし、日本の一般会計80兆円強、特別 会計220兆円強の矛盾を指摘。

 最後に、医療再生に向けて大村氏からいくつかの提案がなされた。
誤った固定観念(医療は国の負債)を捨て、社会保障 費の大幅増額、医療政策に関る省庁を一本化(「医療庁の創設)、 財政構造の根本的な見直し、保険者の再編、病院・診療所 の再編統合と機能分担など。
官僚・行政まかせではなく、医療従事者がビジョン、主導権を持って、 日本の医療を立て直さなければならないことを強調され 講演は終了した。











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