施設における訪問口腔ケアその2




口腔ケア (そのー2)
学問的には、生理学的口臭は舌背後方部の細菌の腐敗作用が主な原因とされています。
口腔内の細菌は主に舌苔中の脱落上皮細胞や白血球を分解し口臭原因物質を産生します。 誰が数えたのか、一個の細菌には約100個の菌がまとわり付いているそうです。
生理的なのもですから、この口臭は程度の差はあれ、誰にでもあり、一日の中でも変化します。
一方、病的口臭の代表としては歯周病による口臭があります。 歯周病に特徴的な臭いは歯周ポケットからのみ原因物質が産生されるかと思いきや、 生理的口臭と同じく舌背後方から主に放出されているとされています。
臨床的には、学問上の知識を踏まえて状況に応じた工夫を施すわけですが (口臭の講座ではないので細かい学問的なところは省きます)、 単に舌苔のみを究極のターゲットにすればよいわけでなく、 病的なもの原因は、舌苔のもっと上流の歯周病などの歯科疾患と関係があることが多く、 我々歯科の出番になるわけです。
くどいようですが、対象者は認知症や脳梗塞の後遺症などで、 意思の疎通がほとんどない人か自分で口腔ケアができない人がほとんどですから、 通常の外来歯科診療とは若干趣を異にします。
対象者ひとりひとりに、歯ブラシなどの使い方を教えることは意味がありません。
介護関係者の誰かが毎日ケアをするしかないのです。
施設においては看護師、ヘルパーさんが中心になります。 幸いなことに、無歯顎者や非歯周病者などは舌苔中心の対処ですから、 余り時間を要することなく十分改善ができます。 しかし、残存歯がたくさんある重度の歯周病者やほとんど口を開けてもらえない人に対しては、 余りに時間がかかりすぎること、特殊な技術を要することなどがあり、 現状においては職員には荷が重過ぎるようです。
そこで助っ人の登場です。歯科衛生士です。
歯科衛生士が誰を担当するかは、口臭の有無、歯周病の有無、 嚥下機能などの検診結果を踏まえて決められます。
ちょっと脱線。施設の有志が『口腔ケアの効果を口臭測定器を使って判定したい』 と申し出で来ました。ウエルカム!!です。 口臭測定器が使える程度の方ですからヘルパーさんに口腔ケアはお任せしました。 データのとり方もその方が仕事に差し障りないように自分で決めました。 数ヵ月後にデータをいただきました。
離床直後(より正確を期すために測定は2回ずつ実施))、朝食事の後(2回)、 食事直後の口腔ケアの後(2回)、1日6回測定。
おおよそ1週間間隔で12週(ひとりに対して測定回数は66回)実施した結果は?(次回に続く)










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