施設における訪問口腔ケアその1




在宅医療 
2006年5月
『訪問・歯科口腔ケア』 
施設の看護師から『入居者の中でとても口臭が気になる方がかなりの人数います。 お部屋に入るだけで強い匂いのする方もいます。 何とかなりませんか』との問い合わせがあったと仮定します。
あなたが歯科医師または歯科衛生士ならどう対処しますか?
通常の訪問歯科治療は入れ歯の修理のように、歯科医師の単独行為の範囲で期間も限定的です。
しかし、重度の身体的機能喪失をともなった人たち、 認知症などの精神的機能が低下した人たちの集団を対象に口臭治療を行うとすると、 対策は簡単ではありません。 
原因にもよりますが、期間が長い場合が多く、時にはその方が亡くなるまで続きます。

これからは、友人と2000年の春から現在に至るまで対応してきた具体的な話を書きます。
まず、歯科医の最初の仕事(これが成功か失敗かの鍵煮になる非常に大切なこと)は、 施設の関係者全員に理解と協力をもとめることです。
依頼してきた看護師さんは簡単な気持ちで相談したのですが、 実際の対策となると施設全体で動く必要が出てくるからです。
そして、施設の中に対策チームの核になる人が1人以上いることが必須となります (依頼してきた看護師さんがふさわしい)。
次には口臭の原因は何かを明らかにする。
つまり施設入居者全員に対して歯科医が検診することになります。 単なる義歯の清掃不良。重度の歯周病(厄介ですね)。 食物の長期停滞。激しい舌苔。唾液の減少・口腔乾燥によるもの・・などなど。
同時に個別の対象者において、精神的、身体的状況の把握をする。
具体的には、意思の疎通の程度などの意識レベルの把握。 自分で歯磨きができるか。口をあけることができるか(意外になかなか口を開けてもらえません)。 うがいができるか。誤って飲み込む不安があるか。
検診の結果を踏まえて、全員で、誰(事務長から看護師、寮母さんまで)が、 どの程度、どのくらいの期間、どんなレベルで何をするのか・・・・個別の対策が決められます。
歯科医はアドバイザー、マネージャー役を務めることになります。 歯科医師1人ですべてを貫徹することは無理です。  チームで対処することが効果的で継続性を保つことができると思います。
そして、日々第一線で口腔ケアを担当するヘルパーさんへの技術指導は必須です。
医科で行われている方法はガーゼで口の中を拭いてハイ終わりですが、 それではまったく改善しません。改善しないから口臭が消えなかったのです。
それではどうすればよいのでしょうか・・・・・続く。










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