歯周疾患と心臓病(新しい流れー始めに)




 T はじめに 私たち歯科医師は毎日のように歯周病の治療を行なっています。成人ばかりでなく、児童、生徒までもその罹患率が高いありふれた病気だからです。そして、歯周病の代表的原因菌のひとつがPorphyromonas gingivalisであることも知識としては知っていました。ところが最近、臨床の場で殆ど意識されることのなかったPg菌やその他の歯周病原菌そのものが異なる方面から一躍脚光を浴びる事になりました。

日本での火付けは、Michael G Newman氏が1999年6月、日本顎交合学会での講演でした。内容は今回のテキストのエッセンスが中心で、米国では「Floss or Die」とセンセーショナルにマスコミにも報道されたとのことです。そのなかでも、中心的テーマが心臓との関係です。

歯周疾患と全身との関係に関する断片的な文章が日本の専門誌にも頻繁に掲載されるようになり、ますます、本当らしいと思われました。しかし、日本の大学の歯周病科にお聞きしてもこれからの研究テーマになるでしょう程度のコメントしか頂けませんでした。実際にどれほどのエビデンスをもって唱えられているのか、専門家である我々歯科医が正確に知る事ができない現状であるにもかかわらず、一般雑誌にはそのての内容がまことしやかに流れ始めました。由々しき事態といわざるを得ません。

そこでアメリカの研究、論文などを中心に、医科の専門医の意見を参考にして、日本の現在におけるコンセンサスはここまでと言えるよう検討することが今回の大きな目的です。検討すると言ってもあまりに範囲が広すぎるようです。心臓との関係においてのエビデンスだけに絞っても次から次へと新知見が紹介されているようです。ともかくテキストの範囲に絞ってみれば、疫学調査による関与の推定が中心で、起序に関しては、炎症、起炎物質に焦点が当てられるより、菌そのものやマクロファージ、好中球の動きが注目されているようです。この章では、このあたりだけの検討になることをご了承ください。








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