歯科における感染対策・要望書・案




歯科における感染症対策・○野案
2008年6月●日
厚生労働大臣 殿
石川県知事 殿 
石川県保険医協会 会長 西田直巳
副会長兼歯科部長 平田米里

歯科医療機関の院内感染予防対策に係る要望書(案)
島根県で明らかになった血糖値測定用器具の誤使用によると思われる感染事例 (血糖検査のため微量採血器具を使用した際、使用の度に針が自動交換されるタイプと誤解して、 複数の患者に同じ針を使用し、B型やC型肝炎ウイルスの感染が疑われる事例) を発端として、採血針だけでなく、 採血針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないものについても問題視されている。
このタイプの採血器具は自己血糖測定器のみならず、 医療機関の病棟・外来でも広く使用されており、厚労省は全国的 な実態調査に乗り出している。

マスコミでは現在のところ、上記採血器具の取り扱いを中心に論じているが、 医科の医療器具のみならず、歯科の診療機器・器具にも波及することが予測される。
特に歯科診療においては、う蝕治療、外科治療、歯周治療等の日常の治療行為により、 診療機器や器具に唾液のみならず血液が付着しやすい状況にある。 それゆえ、それらを介した患者への感染に高いリスクを抱えているといえる。
そのため、徹底した感染予防対策が必須であり、 我々歯科保険医はこれまで最善の医療安全管理に努めてきた。
しかし、院内感染症防止対策にかかる費用は各歯科医療機関の自己負担でまかなわれているのが 現状で、感染症対策に費用をかければかけるほど、 医院経営が圧迫される状況にあることは言うまでもない。

さて、2008年4月の歯科診療報酬改定では 「歯科外来診療環境体制加算」が新設され、感染症対策を行っている歯科医療機関に 対しては一定評価がなされることとなった。 しかし、30点という低点数では、十分な感染症防止対策費用をまかなえない現状にある。 しかも感染症対策の項目として挙げられている施設基準は、 「口腔内で使用する歯科医療機器等について、 患者ごとの交換や専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な感染症対策を講じている こと」とあり、抽象的な文言にとどまっていて、 どのレベルまで対策を講じればよいのか明確な基準が定まっていない。
それゆえ、各歯科医療機関は具体的にどのような器具を交換滅菌、 または消毒すれば基準を満たすのかについて苦慮し、現場に混乱が生じている。
また、平成17年2月1日付発出された通知「医療施設における院内感染の防止について」 (医政指発第0201004号)内の「院内感染防止に関する留意事項」は、 歯科外来環境加算の施設基準と同様に基本的事項しか述べられていない。
したがって、院内感染予防対策は医療法に基づいて行われる各医療機関の裁量に 任されているのが現状である。
この状況下では、全ての歯科医療機関において院内感染予防の実効性を担保することに ならないと思われる。

もとより、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」 (以下、感染症予防医療法)前文では、「人類はこれまで疾病、 とりわけ感染症により多大な苦難を経験してきた」ため、 感染症根絶が「正に人類の悲願と言える」と述べ、 同法第3条3項では、国及び地方公共団体の責務として@教育活動、 広報活動による感染症に対する正しい知識の普及、 感染症に対する情報の収集および研究ならびに感染症に係わる 医療のための医薬品の研究開発の推進等や、
A感染症予防に関する施策の総合的実施に係わる相互連携や、 CB?国は地方公共団体に対して必要な技術及び財政的援助を与えることを定めている。
・・・・・・このあたりは、もっと文章がこなれてほしい・・・・ その上で、同法5条では医師等の責務として、 国と地方公共団体が行う施策の協力と予防に寄与し、必要な措置を講ずることを定めている。
この長たらしい名前の法律(感染症・・・・に関する法律)は ・・主に疫病対策を念頭に置いたものと思うが・・・
旧の感染症対策(公衆衛生学)と今回の医源性感染では・・ その根拠となる法律が違っても良いと思うが、 今のところ医療法しか根拠となるものがないのですか?
  根拠となる法律がこれしかないとなると・・ ・国の責務が果たせていないことになろうが・・

以上の通り、感染症予防医療法では、感染症対策に係わる研究、 研究成果の普及、施策策定を国と地方公共団体の責務と規定し、 医療関係者にその施策への協力を求めている。
(この理由で、要望書の届け先が、大臣と県知事ですか・・)
したがって、国及び地方公共団体は、@まず、信頼に耐えうる研究を実施し、 Aその成果を基に院内感染対策の基準を定めるべきである。 Bその上で、基準に沿った対策が講じられるよう各医療機関に指導支援をすべきと考える。
@、AおよびBの環境が整わないで状況下で、 歯科外来環境加算に代表されるような感染対策基準を医療機関の独自判断に任せるのは、 国と地方公共団体の責任逃れとしか言いようがないと思える。

各市町村の保健センターが第一線で保健活動を行うが、 県は実施計画を政策し保健センターを指導監督する、国は研究を行い、 それを基に県を指導したり、財政的援助を行う・・・ 保健・福祉の分野とまったく構図は同じですね・・・
しかし、保健センターと違って、第一線の歯科医療機関に判断基準を与えないこと、 財政的支援をしないこと、具体的指導をしないことなどは、 まったく異なっているようですね。

全ての歯科医療機関において、真に有効な院内感染症対策実施が担保されるべく、 以下の2点について、厚生労働大臣と石川県知事に要望する。
1、 感染症予防医療法第3条にあるとおり、厚生労働省と石川県はその責務において、 感染症予防情報の収集と研究に努めた上で、 エビデンスのある具体的なガイドラインを策定すること。
2、 上記1の基準に基づく院内感染症対策に係る費用については、 患者の費用負担が増える診療報酬に上乗せする形ではなく、 石川県は感染症予防計画において予算化するとともに、国はその財政的支援を行うこと。











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