医科・歯科混合診療シンポジウム




医科・歯科混合診療を考えるシンポジウム
08年10月26日 東京 新宿 ベルサール西新宿 8階
46協会 185名の参加あり

医科と歯科では混合診療に関しての捉え方や問題意識に差異があるに感じた。
医科では切迫感がないが、歯科では経営に係わる大きな大きな問題として捉えられているようだった。 それは参加者に医科関係者が少なかったことにも現れていたようだ。
医科における「混合診療の解禁」の反対理由については多くの識者がレポートを出している。
今回も保団連理事の三浦清春氏が詳細に述べている。内容をお知りになりたい方は石川協会の事務局に連絡ください。
医科と歯科の違いだが・・・・、そもそも医科では、古い技術に変わる新しい技術が次々と登場し、 保険に数多く採用されてきた歴史がある。 したがって、現時点で問題視されているのは高度先進医療に関する技術や新薬に関するものが多い。
一方歯科では、医科に比べると皆無といってよいくらいに、新規に保険導入された項目が少ない状況にある。
たとえあるにせよ臨床ではあまり有効活用できないものであったり、 あまりの低点数ゆえに逆に臨床応用において障害になるくらいのものである。
新規導入された項目があまりに少なかったが故に、特に珍しくもない治療や検査項目が保険適用されずに数多く放置されていため、 実際の診療においては、一つでも非保険項目を採用すると、初診に遡って全額患者負担となるので、 それらを避けながら診療を進めている状況ともいえる。
審査指導の場では、一般開業医が非保険項目を避けきれずに使ったケースを突かれている。
つまり医療費抑制の道具としても悪用されているというのである。 医科と違って、歯科では萎縮診療へ意図的に誘導しようとする道具に使われていることが医科との大きな差異と 言えるとの指摘である。

また、シンポジストの一人である弁護士の平井哲史氏は、 「混合診療に法的根拠はないとした東京地裁判決」を例に混合診療の問題点を浮き彫りにした。
しかし、司会の保団連副会長の竹崎三立のコメントは辛らつで、「裁判の争点は 屁理論に終始し、 医療現場の争点とはあまりに違いすぎる」と一顧だにしなかった(苦笑)。
また、「横浜地方裁判所における混合診療を否定した判決」を担当した鈴木野枝氏の意見は重かった。
彼女いわく、いかに裁判官が医療について無知のまま判決を下し、 その結果が社会に悪影響を及ばしているのかについて無頓着すぎる。もっと裁判官自身を教育しなければならないと。
白い巨塔でもあるまいに、裁判官も社会と無縁の存在ではないことを自覚して欲しいと、個人的にも感じた次第であると。
今回、参加者の多くを占めた歯科医師の関心事は、(午前中には北海道協会からも発言があったが・・) 東京代表のフロア発言であった。
保団連(歯科協)として「51年通知」をいかにの取り扱うかという指摘である。
北海道協会はメタルボンドは保険に導入すべしと兼ねてから主張している。 それに対し東京歯科協は、その意図は良く分かるが、 東京ではメタルボンドなどの自費診療で保険の診療の不足分を補っている現状があり、 そう簡単には踏み切れないとの立場を固執していた。
しかし、ここに来て代表者間では、意見が合致してきたように私には見えた。
東京代表が言うには、「2010年の診療報酬改定までに厚生労働省は何らかの混合診療に関する方針を打ち出すであろうから、 それに対抗するためには来年の6月までに保団連として対抗策を練る必要がある。
最終決定はされていないが、来年一月の代議委員会は医科歯科分離方式で行い、 歯科は混合診療に特化して議論検討をする必要が出てきたといえそうである」と。
どちらが執行部かわからぬ提案を行ったが、参加者一同、賛成したことは言うまでもないと付け加えておく。

また、患者からみた混合診療の問題点に関して、 「今後の難病対策」勉強会実行委員長・全国心臓病の子供を守る会事務局次長・水谷幸司氏の発言も注目を浴びた。
差額ベッドがない病院もあるが、多くは保険で利用できるベッドのが最初から全くないか非常に少ない病院が多い。 患者が望まないのに差額ベッドしかないという実態は、今後、混合診療が解禁になればこの流れが加速されるのではないかと危惧する。 特に心臓病の場合は長期の入院が一般的で多額の費用が発生する。
そのほか、病気になったのは自分の所為とする風潮があるが本当にそうだろうか・・・等と多くの疑問を投げかけた。

また、武村兵庫協会副理事からは、神戸の「スーパー特区」に関する驚愕すべき報告があった。
内閣府の発表によれば、20グループの公募枠に150ちかい申請があるとのこと。 しかし、なかには研究チームの中心者が自ら率いる企業を取り込んだり、 治験なしでも人体に実施しても認められるという正に「人体実験」が認められるとか、問題が多いと報告した。
あまりに多くの事案が非常な速さで展開し、愚鈍な私は頭の整理ができないまま帰途に着いた。
今後の動向に注目する必要があることだけは確かであるとの感想をもった。










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