ポーセレンはどこに分類?




○○先生へ
> 今の歯科医療は、保険診療部分と自由診療分が存在し、私は混合診療
> でなりたっていると、ここ1年思っていました。その辺の総論的な話を、
> 私にもわかるように、教えていただけますか?

さて、先生の質問ですが、
@「歯科は混合診療で成り立っている」はある意味正しいと思います。 そもそも、診療報酬における点数は、不足分を自由診療分で補うことを前提に、 低く設定されています。
ちょっと前までは、保険点数が低くたって、自由診療があるから経営は成り立つ。 それでいいではないかと厚生労働省も言っていた。

たとえば、前歯では、根の治療は保険を利用しても、 上に被せる「陶材で作る変色しない白い歯」は自由診療 (もちろん保険の白い歯もあります)です。これは正確には混合診療です。
しかし特別に、合法化されています。
値段も東京では8万円から12万円などと一部使用される金属の違いなどを 理由に幅があります。
私は6万円です。開業のときから変わりません 。診療報酬と違い、値段に制限はありませんから一本100万円でもいいわけです。
高いと利幅が大きく、経営的にうまみが出ます。 高額の歯を患者さんに、合意の下で入れることができる歯医者が優れている・・ というような勘違いが一部歯科界にはびこった時期もあったような気もします。 また、差額徴収時代を知る人々もいますし、 このあたりを取り上げて、マスコミが面白おかしく歯医者をたたいてきた時代の風評が、 未だに人々の頭に(○○先生の深層にも)残っているのかもしれません。
最近は歯医者過剰・歯医者はワーキングプア・・に変化してきましたが・・・・。

しかし、自由診療に応じることのできる患者さんの数が近年減少する傾向になると、事情が違ってきた。保険診療のみで経営するとなると、非常に困窮するのです。 最近の歯科問題の背景はここにあります。
A「保険診療部門と自由診療部門が合法的に混在している」も正しいです。
しかし、今の医療レベルでは、範囲は狭いと思います。
混合診療の解禁を求める声は、その範囲の拡大です。
たとえば、インプラントです。一口腔単位を原則とする最近の保険制度では、 極端な言い方をすれば、ちょっとでもインプラントのような自費を行えば、 特に途中からインプラントになった場合が悲惨なのですが、 初診に遡って全て自費扱いとなります。
そのようなことがなく、保険にある項目は保険を使い、 保険にない項目(インプラントなど)は、いつでも、 自由に診療の流れに組み入れられるようにして欲しいというものです。
一理あるように思ったら、先生も混合診療のやや肯定派です(笑)。
もちろん、保険医協会の主張は違います。インプラントも保険に導入すべきとの立場です。

ただし、過去の経験から言うと、自費が保険に入ると、 実勢価格の5割から、せいぜい7割くらいの料金で保険導入されるので、現場は困るという事態も生じています。 患者さんにとってはいいことですが。
世の中安ければ全て丸く収まる場合は多くないのも事実です。 いろんなところにしわ寄せが来ますし・・・。
この程度では、答えになっていないかもしれませんが・・・


もう少し教えてください。
1)根の治療は保険で、、上に被せる白い歯は自由診療ということなのですが、 これは日を変えているからできることなのですか。
2)この、上に被せる「陶材で作る変色しない白い歯」の治療は、  保険診療で言う、いわゆる「選定療養」の範囲に入っているのでしょうか。
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1) に関して・・・・同日でも、日を異にしてもできます。
2)陶材で作る変色しない白い歯」横文字表記ではporcelain metal- bonding crownだったかな ・・・、一般にポーセレン(磁器)と呼ばれているのですが、 現在どのように扱われれて、どこに分類されているのか、記憶にありません。 申し訳ありません。
私の頭の中では、保険外併用療法の以前の名称は「特定療養費」で、 06年に項目の組み換えがあった時点から消息不明となったまま・・・です。
この程度のレベルですから、診療報酬改定の検討会では私は壇上に登れないのです。
特定療養費は、歯科では金属床の総義歯が主なもので、 これは特別に法律を強引にねじまげて合法化した・・・くらいの認識です。 (詳しくは工藤さんの本があります。)
ポーセレンに関しては○○先生に問われるまで、意識もしませんでした。 単に、全く保険が利用できない分野の一つくらいに意識していました。
つまり、単に歯並びを良くする矯正治療が保険外併用療法の項目になじまないのと同じ 意識です。
しかし、金属床の総義歯は「選定療養」に分類されています。 これは、金属床の費用と保険で認められている総義歯の費用との 「差額」を患者さんが負担するというものですから、 ちょっぴり内容が違うといえば違うのかもしれません。
ポーセレンは診療報酬制度の中では例外中の例外の扱い??。 どこに分類されているのでしょうか?多分、後で指摘を受けて、 大恥をかくことになるのでしょう・・。今から覚悟しておきます。
それより、私がお答えするより、工藤さんのほうが理論的と思いますが・・。 彼が共著している「どうするあなたの社会保障@医療編」に詳しい?と思います。

恥を覚悟で、あえて書くなら、ポーセレン(類似品あり)に限らず、 保険の冠でも、一本の歯においては、根の消毒から上部の冠を被せるまでの流れが 終了して一連の治療が完了することが前提です。 ポーセレンを入れる場合は、途中までが保険、その後は自費扱いとなることで、 混合診療になるものであって、差額分を自費で補うという意味の 保険外併用療法・混合診療ではないということくらいにしか理解していません。
しかし、似たようなケースでも、歯並び治療(大部分の歯科矯正は自費)の後に、 その歯を使って保険のブリッジを作ることは混合診療になり、認められていません。
一方、前歯部では、ポーセレンではなく「樹脂」で白い歯を保険で入れることができますが、 金属の部分は保険の材料よりも優良な金属を使用すれば、 その差額を患者さんからいただけます(選定療法に分類)。
同じ考えで、白い部分の樹脂部をポーセレンにし、 その差額分だけ患者さんから徴収できるかといえば、できません。 できれば患者さんの負担は今よりづーっと小さくなります。
ポーセレンだけがなぜ特別扱いなのか・・・不思議といえば不思議です。 理由は推測できますが・・・。

選定療養とは、差額ベッドや特別室など、 どちらかというと贅沢な部分に用いられるもののようで、 いずれ保険収載するとの意思はない場合に使われる・・・という趣旨で、 贅沢品ということに注目すれば、 将来も保険導入するには値段が高すぎてあり得ないということで、 ポーセレンも選定療養になるのでしょうが・・。
しかし、現に「選定療養」 に含まれる・リハビリ (一日あたりの制限回数に係わるもののみ)などの制限回数を超えて受けた診療などは、 もともと保険の項目にあり、同じ内容ですね。
回数オーバーが贅沢かどうかは、個人的に疑問だと考えますし、 また、180日を越えた日以降の入院に係わる療養も選定療法ですが、 贅沢なのか?・・・私の意見はどうでもいいことですが・・ 医科の混合診療と歯科の混合診療は内容的に違うのでしょうか? 私がお聞きしたいくらいです・・・。

国が定める混合診療には評価療養と選定療養があり、 「評価療養」は先進医療、たとえば新しい抗癌剤とか医療材料などで、 著しい効果が期待されるにもかかわらず保険未収載となっているもので、 いずれは保険に収載するとの意思があり、 保険収載の際の点数はどうするかなどの試験も兼ねて混合診療が許されるとなっている ・・・・という意味では、「評価療養」にはポーセレンはなじまないように感じます。
特別に先進的治療というほどではないし、めちゃくちゃ長い臨床経験があるからです。
医科のことは分からないのですが、
歯科では、医療の高度化等に対応する観点から、 先進医療専門家会議における検討結果を踏まえて保険導入された「先進医療の保険導入」は
@歯周組織再生誘導手術、
A接着ブリッジ、
Bレーザーによるう食歯の無痛的カドウ形成の加算20点・・・・の3項目。
また、「新規医療技術の保険導入」の項目は
@非侵襲性歯髄覆トウ150点、
A静脈内鎮静法120点、
B肺血栓塞栓症予防管理料305点。

「先進・・」で認められた@は、臨床現場では敬遠されて、 現在あまり使用されていないし、保険の規定料金で使えば材料費は赤字となる。 比較的頻度の高いもう一つの方法は保険に導入されなかった。
Aは先進でもなんでもない・・・下手に歯を削って、早くだめにするくらいなら、 削らないほうがいいとの判断か?
Bは臨床上の効果は?私的には大いに疑問で、 高い製品を売ろうとする業界の要請にこたえただけ?

「新規・・」で導入されたものは、
@頻度が多少多いだろうが、単に旧の点数の移動程度。低点数のまま。
AやBは頻度がほとんどない。
上記のように、国は、絶対に高額かつ頻度の高い診療項目であるポーセレンを 保険に導入しないだろう。
その意味では、ポーセレンはこのままの扱いになる。放置されると思う。
○○先生の質問に答えられなくて申し訳ありません。










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