日本歯科医学会長の「補綴の保険外し」発言に抗議する。




08年9月3日
江藤会長に抗議する
仕事も終わって、一息・・・と思ったら・・・・FAXが送信されていることに気がついた。 保団連の言いなりに動きたくない性分だが、 内容が内容だけにマスコミ向けに抗議文を書くことにした。

日本歯科医学会長の「補綴の保険外し」発言に抗議する。(マスコミ向け)
高齢の患者さんに、「もしも入れ歯が保険からはずされて、自費になったら・」と お尋ねしたところ、「 わしに、ものを食べるなということか。」と即応された。 一般国民の反応も同じようなものと思われる。
日本歯科医学会江藤洋一会長は「・・補綴を保険給付から除外しない限り、 歯科医療費の総枠を拡大することは難しいのでは・・」との趣旨で、 講演を重ねているというが、地位も権威もある人物の発言に、多くの開業医は困惑している。
江藤会長の趣旨は、・・・歯科医療費のおおよそ半分を占める補綴( 冠や義歯)を保険給付からはずし、その分を他の歯周病や虫歯治療等に充てれば、 補綴以外の診療項目は点数の大幅な増加(2倍?)が期待できる。
同時に、「大幅な増加」 に制限を加えれば、国の負担を削減することもでき、 社会保障費の削減政策に沿ったものと政府・厚生労働省からも歓迎される。
また、補綴部門が自費となれば、その自費分が歯科医療費の総枠増加に結びつき、 歯科界を潤し、困窮を深める歯科医院経営改善につながる。
これが究極の「歯科再生の道」 である・・・と考えたのかもしれない。
しかし、保険給付から外されることにより、 高額な自費負担となる「補綴」を前提として、 患者さんと系統的な診療計画を進めることが本当に可能だろうか。
たとえば、今までは、根の消毒治療を保険で治療し、 その後の奥歯の金属冠を約3000円ほどで入れることができた。 しかし自費扱いとなれば、保険点数を準用したとしても1万円以上 (場合によってはこの数倍の設定もあり得る)の負担となってしまう。
したがって、現実的には、一部の経済力のある患者さんを除き、 治療計画を作成した段階や、治療の途中で断念するケースが多くなるのではないだろうか。
それは、最終的に患者さんの健康を損なうことにならないだろうか。 結末は見るまでもなく、国民にも歯科医にも不幸をもたらすだけといわざるを得ない。
格差社会・貧困・ワーキンブプアなどと叫ばれている日本で、 この料金負担増を多くの国民は容認できるとは思えない。 補綴の保険外しよりも、保険で治療可能な範囲を広げ、 患者の負担を軽減する方策こそが国民の望みであり、国の責務であると主張するものである。
石川県保険医協会歯科部会は、 国民皆保険制度の後退につながるこの江藤氏の発言に断固として抗議するともに、 会長の罷免を求めるものである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 上記の私の文章を、事務局員がうまくまとめると・・、以下のようになります。

抗議声明

日本歯科医学会長の「補綴の保険外し」発言に抗議する。

高齢の患者さんに、 「もしも入れ歯が保険からはずされて、自費になったら?」と尋ねたところ、 「 わしに、ものを食べるなということか。」と即応された。
報道によれば、日本歯科医学会江藤一洋会長は、 7月12、13日に開催された日本歯科医療管理学会学術大会の「 歯科再生の道をさぐる」と題した講演で、補綴を保険給付から除外しない限り、 歯科医療費の総枠を拡大することは難しいのではないかとの趣旨の発言を行った。
歯科医療費のおおよそ半分を占める補綴(冠や義歯)を保険給付から外し、 その分を歯周病や虫歯治療等に充てれば、 綴以外の診療項目は点数の大幅な増加が期待できる。
同時に、その「大幅な増加」 にも制限を加えれば、国の負担を削減することもでき、 社会保障費の削減政策に沿ったものと政府・厚生労働省からも歓迎される。
また、補綴部門が自費となれば、その自費分が歯科医療費の総枠増加に結びつき、 歯科界を潤し、困窮を深める歯科医院経営の改善につながる。
これが究極の「歯科再生の道」 であると江藤会長は考えたのかもしれない。

しかし、補綴が保険給付から外された場合、高額な自費負担となる「補綴」を前提として、 患者さんと系統的な診療計画を進めることが可能だろうか。
例えば、これまでは根の消毒治療を保険で治療し、 その後の奥歯の金属冠を約3000円ほどで入れることができた。 しかし補綴が自費扱いとなれば、保険点数を準用したとしても1万円以上 (場合によってはこの数倍の設定もあり得る)の負担となってしまう。
したがって、現実的には、一部の経済力のある患者さんを除き、 治療計画を作成した段階や、治療の途中で断念する患者さんが多くなるのではないだろうか。 それは、最終的に患者さんの健康を損なうことにならないだろうか。 結末は見るまでもなく、国民にも歯科医にも不幸をもたらすだけといわざるを得ない。

格差社会・貧困・ワーキンブプアの問題が叫ばれている日本で、 この負担増を多くの国民は容認できるとは思えない。 補綴の保険外しよりも、保険で治療可能な範囲を広げ、 患者の負担を軽減する方策こそが国民の望みであり、国の責務である。

石川県保険医協会歯科部は、 国民皆保険制度の後退につながる江藤氏の発言に断固として抗議するともに、 会長の罷免を求める。

2008年9月12日
石川県保険医協会
歯科部長 平田米里
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・他の協会のものを参考までに
広島協会の抗議文・2008年9月5日
日本歯科医学会長 江藤 一洋 殿
日本歯科医学会長の「歯科補綴の保険外し」発言に厳重抗議する
 報道によれば、日本歯科医学会の江藤一洋会長は、 7月12日、13日の日本歯科医療管理学会学術大会に於いて 『歯科再生の道をさぐる』と題した講演の中で、 歯科医療費の総枠の拡大が困難な状況では、「補綴を保険から外して活路を」 といった主旨の発言があったとのことである。
 この発言は、歯科医療界に影響のある日本歯科医学会会長の発言 とは思えない重大発言である。
 現在、歯科保険医は医療費抑制政策の中で身を削りながら、 国民皆保険制度を守るため最大限の努力を傾注しているところである。 国民が咀嚼機能を安心して維持改善できるのも歯科補綴が保険給付の対象であり、 不採算と言われながらも歯科保険医が頑張っているからである。
国民の歯科保険制度の基盤を左右するような発言は、慎重でなければならず、 影響力を持つ立場の人の発言として断じて許されるものではない。
 私たち広島県保険医協会は、国民が安心して、何時でも何処でも医療にかかれるよう、 そして、安心して医師・歯科医師が医療を施せるような社会を構築することを目指している。
アメリカの影響を受けた現在の政治姿勢は、 市場原理の下、アメリカの医療制度を取り入れようとし、 混合診療解禁を経済界の圧力の下に目指している。
このような環境の下、貧富の差によって選択される医療を断固反対する団体として 、厳重抗議するとともに、この度の発言を撤回することを要求する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
抗議声明
日本歯科医学会長の「補綴の保険外し」発言に 強く抗議する
報道によれば、日本歯科医学会の江藤一洋会長は、 7月12日、13日に大阪で開催された、日本歯科医療管理学会学術大会の 「歯科医療再生の道をさぐる」との講演で、日本の歯科医療再生への一つの提案として、 歯科医療費の総枠の拡大が容易でないなかでは、 「補綴を保険から外し」、活路を見出そうとの趣旨の発言をしている。
歯科医療費において46%(厚労省;診療行為の状況調査) を占める補綴を保険給付から外すことは歯科保険医療崩壊を意味し、 ひいては皆保険制度を否定するに等しい発言であり 、国民歯科医療を守る医療人として看過できないゆゆしきものである。
また、日本歯科医学会とは日本歯科医師会の定款に基づき組織化された学術団体であり、 その組織の長としての発言の影響はあまりに大きく、 度重なるマイナス改定で崩壊寸前の歯科医療にストップをかけようと、 歯科医療費総枠拡大の運動に取り組んでいる歯科医師の運動と 歯科医療の改善を求める患者・国民の願いにも反したものであり、断じて許しがたい。
あいつぐ患者負担増により受診は大幅に抑制され、格差社会と貧困層の増大などから、 本来必要な補綴物の新製をあきらめ修理ですます事態も起きてきている。
全身の健康とも密接にかかわる口腔の健康と 咀嚼機能維持に不可欠な補綴の保険給付を守ることは、 国民の健康を守る観点からも重要な課題といえる。
患者・国民の歯科医療に対する最も強い要望が 「保険の利く範囲を広げてほしい」であることは、 現在でも保険の利かない一部の補綴治療を保険給付に改善してほしいと の切実な声の反映である。
本会は、歯科医師、国民の願いに反する江藤一洋日本歯科医学会会長の発言に強く抗議し、 即時撤回を求めることとあわせて、補綴の保険給付を守り、改善し 「保険で良い歯科医療」実現に向けた運動をこれまで以上に強めていく決意である。

2008年9月11日
鹿児島県保険医協会
会長 高岡 茂
副会長(歯科)薬師寺 毅










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