第3回社会保障学校  湯浅誠氏講演会




反貧困ネットワーク事務局長・湯浅誠・記念講演

第3回石川社会保障学校・平成20年9月21日(日)、13:00〜15:00
石川県生涯学習センター2F(旧石川県 広阪庁舎・金沢市広阪二丁目)

定員百二十名に対し、約二百人参加、これ以上座る席無し、ぎゅうぎゅう詰め状態。
いろんな職種の方が参加していたようだ。 顔見知りの医師も多かった。城北病院の先生のお顔は少なくとも4人確認できた。 若者も多かった。
場所と駐車場がわからず、30分程もたもたして、開始直前に会場に着いた。 しかし、空いた席を発見できなかった。 保険医協会の事務局員が私の席を譲るといってくれた。 結局、星陵の准教授が録音のスイッチを押すという条件(優しい配慮)で、 ど真ん中の2列目を提供してくれた。私は何様?の扱いを受けたのだろうか・・。反省。

事務局長?の横山寿一金大教授の挨拶。
定刻を少し遅れて、湯浅誠氏の登場。

テレビで見たお顔が目の前にあった。年齢の割には若い。 俗世間に深く係わっているが正義感で満ちている。頭脳明晰で、ルックスも良いい。 清廉潔白。こんな男が弱者の味方として活動しているとは・・・。 まだ世も見捨てたものではない。
私は、遅い参加で、資料がいただけなかった。残念。
・ ・・・・・・・・・・・・
『講演のメモ』本来の講演内容を語るには時間が不足で、途中を端折ったものとなった。

@1995年、渋谷でのホームレス支援活動から始まった。
2001年『もやい』発足
路上生活者・野宿者の支援が中心だった(法的にはホームレスとは、 路上生活者と定義されているようだが)。
2003年の頃からネットカフェ難民やアパート生活者だが、 生活に困窮している若者たちが多くなり、 広義のホームレス問題として扱うべしとに認識に至った。
3,4年前からだが、特に若い人で、アパートには住んでいるが貧困に陥っているのがが多くなった。日本社会のレベルダウンが背景にあるのであろうか・・・。 『貧困問題』を中心に『もやい』の名称で、団体として取り組んでいる。 毎月100件の相談がある。都市ばかりの問題ではない。 地方に職がなくて都市に出てきた者の貧困がめだち、 地方と都市部とのリンクが生じているようだ。

A日本全体の貧困化が進んでいる
典型的な貧困への経過は・・・
(@)勤務先からの給料の未払い・・・雇用主とのトラブル化
(A)退職するにいたる
(B)ハローワークへ相談
しかし、月払いの仕事を得るには最低2か月分の生活費が必要だが、多くの場合そのような金銭的余裕はない。結局日払いの仕事に就くことを選択する。 (C)最近では、日払いの仕事もうまく行かないことも多い。
お金がなくなると、ライフラインが止められる。アパートを出ることになる。 自殺か犯罪か・・と悩むことになる。精神的に苦しむ。
・・・・・・・・・・このようなパターンが一般的だが、
見過ごしてはならないのが、@失業保険でしのぐ、A役所へ相談に行くという 事例が見当たらないことである。
若者たちに役所に相談いいくという発想が浮かばないことに驚かされる。
火事なら、119番。泥棒なら110番とすぐに思い浮かぶのに、 生活に困ったら○○○番?・・・日本には連絡する場所が周知されていないことが大きな問題だ。 SOSをどこに発信すればいいのか?
多くは一人悩み、ホームレスが長期化し、人間が壊れていく。 『もやい』に連絡することを知っている人はまだ良いほうだ。 それでも、連絡してきても、相談に出かけるに必要な交通費がない。 手元の残金が数円、数十円ということがほとんどだ。
手元に1000円、2000円あれば自分で何とかしようと努力する人が大半だ。 人に頼ってはいけないとかの自助努力を求める社会からのメッセージ的圧力があり、 本人もその意識はある。しかし、結局どうにもならなくなってから、 『相談に乗ってください 』と連絡を入れるケースが多い。
そして、この日本では、どこを探しても、そのような人を救済する法的根拠は 『生活保護法』しかないようで、我々は同伴して役所に出向くことになる。 今のところ我々が同伴すると100%認可してもらえる実績がある。

B労働市場が貧困化している。
相談に応じる窓口担当者は公的なものであれ、非公的なものであれ、 今までは『労働の相談』と『生活の相談』とに分離・独立してきたように思えるが、 両者は密接な関係にあり、相互にリンクしなければならない。
窓口担当者もさまざまなネットワークを有し、 相談者をこれ以上『たらいまわし』にさせない優秀な 『コーディネーター』となる努力を必要とする。『地域の総合的ネットワーク!!』である。
ホームレスや非正規労働者から見れば勝ち組とされている正規雇用労働者だが、 雇用者から見れば大同小異。
非正規雇用者は半分の賃金で同じ仕事をしている。 正規雇用者は賃金に見合うだけの仕事をして貰わならないと・・・・・ 長時間労働、長時間残業を強いてくるのは明らかである。

C労働のセーフティーネット
雇用のネット、社会保障のネット、生活保護のネット・・・と3つのネットがあるが、 この下にまだ600とも800万人とも言われる人がいる。
フリーターが多くなっても、定職を持たない人たちが多くなっても、 まだ高度成長時代に稼いだ親の世代が頑張って支えてきたので、 社会問題としては顕在化しなかった。 しかし、その構図も最近崩れ始めたようで、家族からの相談が多くなってきた。
もう一世代次の世代となると、社会は持ちこたえられないかもしれない。
なぜなら、日雇いにすら出かけていかなかった人が、生活には代えられないと、 職を求めて、新しい労働者として市場に流入すると、 労働者の過剰供給となり賃金体系を破壊しかねないからだ。
この『NO!と言えない労働者』となって市場に復帰することを 食い止めないと大変なことになる。
たとえ、家族が休職中に支えてくれなくとも、社会として、 ゆっくり仕事を探す機関を保障するようなシステムを作っておかないと ・・・労働市場の質の低下を食い止めることはできないのではないか・・・。 大きな指摘であった。

D日本と欧米の差はどこにある。
究極、日本は各個人に高コスト生活を強いられていることが、 貧困を招きやすいのではないか・・・このあたりはよく理解できなかった。

E日本の収入と人口構造別にあらわすと、釣鐘型となっている。
米国は中央部が少ないひょうたん型となっている。これからどんどん米国型に移行するだろう。
一例として、・・・・正規雇用者の間では、労働強化が生じ、 その強化に適応できない者は仕事仲間から虐げられ、邪魔者扱いにされ、 退職を余儀なくされる。
そして生活保護などの社会保障を受けようとすればあなたは働けるから必要ないと 職場復帰を強いられる。 この繰り返しの果てに、貧困に陥る。
・・・新たな貧困の誕生である。・・・・・と挙げられた。 この社会圧力が強くなればもっと格差が拡大するであろう。

F対応策は?
(@)困ったときの相談窓口・・・社会保障制度へのアクセス法の周知
(A)溜めの設立!
個人レベルでの溜め。・・・・家族や友人、仕事仲間、労働組合。
社会レベルでの溜め。・・・・・社会システムである。法律の整備。

G番外・・
発足当時の活動の大きな柱は@生活相談A連帯保証人になる運動・・・だったらしい。
ホームレスに仕事を斡旋するとき、誰かが保証人になる必要が生じる。 ホームレスやネットカフェ難民がアパートを借りるときでも保証人が必要だ。
当初は湯浅さんとその友人が連帯保証人となっていた。 当初は大きなリスクを感じたらしいが、問題になるのは5%くらいなもので、 ほとんどトラブルはないらしい。
それに今では、貧困層を相手にするビジネスが展開され、 不動産屋でも連帯保証人を必要としない物件もちらほら出始めたらしいのでやりやすくなった との事であった。

Hもう一つ、重要な指摘
連帯とは・・・弱さを自覚したところか始まる。
弱さの自覚とは・・・誰とでも付き合うことで、多くの仲間を作ることでもある。
世の中を変える運度を展開するには多くの人の協力が必要でる。主義主張を超えてネ。
今までの左翼の活動家は互いの差異を指摘する能力に秀でていた。 しかし連帯するには、同じところを見つけようとする姿勢がより重要である。 公務員に縦割り制度の批判をするが、左翼の活動家にも縦割りの弊害はある。
所詮、我々は小さな団体で、その団体が寄せ集まったところで、 大きな力にはなりえないのだから、多くの国民の協力を得られるよう努める必要がある。
(あまりの的を射た表現、正鵠を得た内容に・・・・・・私は、笑ってしまいました。)
さて、大事な指摘・・・
@マスコミには丁寧な対応を
マスコミに対してよい評価を持っていない左翼が多いが、 マスコミへの対応は親切丁寧をモットーにすべきである。 多くの国民に周知させるにこれほど有効な手段はない。
A運動が強化されるには、どうしても当事者の発言が必要である。 当事者からの告発、問題点の改善要求がない運動はありえない。

以上を肝に銘じて、・・・何かをしましょうか・・・。 小さなことからでいいのですが・・・・。何をする?
平田米里 2008年9月21日・記










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